ありのままの田舎暮らし

2009.01.02

第13話 田舎で実践、ケミカルフリーの生活の巻

里山の味 天然工房

 新年あけましておめでとうございます。
 今年も「ありのままの田舎暮らし」を綴ってまいりますので、どうぞ宜しくお願いいたします。

---------------

 現在、恐慌ともいえる世界的な景気の落ち込みが日本にも深刻な影響を及ぼし、連日企業の経営悪化とそれに伴う期間従業員・派遣社員切りが報道されています。
 私はそうした報道を聞いて、単に経済だけの問題ではなく、政治や司法の問題、あるいは科学といった分野まで含めた人間の行いそのものが根本的に問われているのではないかと受け取っています。


 何のための経済か、何のための政治か、何のための司法か、何のための科学か、その本来ベースにあるべき思想、理念が抜け落ちているため、経済が発展しても政治家が声を張り上げても科学技術が進展しても、主体であるはずの人間が幸福にならず、不幸な人ばかりが増えていくのではないかと。

 サラリーマン時代、周囲で働く人々やそして私自身を振り返ってみて、何のために働くのか、どのような目的と指標を持ってこの社会を作っているのか、その疑問がいつも心の中にくすぶっていました。
 本来労働とは、世のため人のためになることをしてその結果としてお金を得るのが本当の姿であるはずです。それがいつの間にか構図が逆転し、お金を得るために働くことになってしまい、さらにカネを得るためには何でもするといったように悪化しているように思えます。
 日本の社会を見渡すと、仕事内容は目的のためには手段を選ばない事例ばかり、若いときは我慢ができても年を重ねるにつれてそうした中に身を置くことに耐えられなくなっていったのです。


 短い人生なのだから自分自身を裏切らない生活をしてみたい、そのため人と物が集中する都会を離れて、お金や物にこだわらない生活、環境に負荷を与えない生活、そして化学物質に依存しない生活を実践してみたい、そう思うようになったのです。

 ということで、今回は化学物質をなるべく排除する私達の生活スタイルをご紹介します。


--日本人、おかしくなってますー

 おそらく多くの人々が気付いているでしょう。気付きながらあえて眼をそらしている人、一人の力ではどうにもならないと諦めている人、また何とかしなければならないと立ち上がって必死の努力をしている人もいます。
 私も家族や仲の良い友人には常日頃から注意を喚起してきましたし、また何か機会があるたびその場を利用して多くの人達に訴えてきたつもりです。

 アトピー、アレルギーはいまや当たり前の疾病になってしまいました。落花生やそばは重篤な症状を発生させる極めて危険な食物ですし、卵、小麦、乳製品も必ず記載が必要なアレルギー食品に指定されています。
 しかし、私が幼い頃は落花生もそばも卵もパンも牛乳もアイスクリームもみんな当たり前のように口にしていました。アレルギーは特殊な免疫疾患であって誰もが抱える病気ではなく、従って私はアトピーという言葉も、まして化学物質過敏症などという新しい疾病も知らずに育ちました。
 同様に、ほんの数十年前まではアスペルガーを始めとした発達障害は多い事例ではありませんでしたし、情緒が安定せず多動が見られる子供もいませんでした。当然、学級崩壊もありません。


 マスコミでもよく登場するようになった、学校に理不尽な要求を突きつけるモンスターペアレント、企業や役場に苦情を言い続けるクレーマーなど、周囲の状況を客観的に把握することが出来ず自己主張しかしない人達も、現在のように多くはありませんでした。

 若い世代にもガンが発生することが当たり前になってしまいましたが、ちょっと前までガンは主にお年寄りの疾病だったはずです。若年性認知症も女性の不妊もうつ病も今ほど多くはありませんでした。
 日本人の体が徐々に変調をきたしてきている。少しずつ壊れてきている、それは明らかでしょう。

 それではなぜ日本人がおかしくなってきているのでしょう。その理由はなんでしょうか。

 といってただの凡人に過ぎない私に「はい、これが理由です」と簡単に答えが出せるはずがないのですが、ただ間違いなく言えることはほんの数十年前まではこれほど日本人がおかしくなってはいなかったということです。そうであれば、変調をきたす前の時代、その時代までの生活に学び、その生活に可能な限りなく近づけていくこと、それが、日本人が壊れていくことを食い止める1つの手段になるはずです。


--食べ物でないものは食べ物ではありませんー

 現在の日本人の衣食住をちょっと振り返ってみませんか。

 食卓に上がる加工食品や冷凍食品の裏ラベルを見てください。合成香料と合成着色料と合成保存料と化学調味料、化学薬品のオンパレードではありませんか。
 肉となる家畜はホルモン剤と抗生物質を多量に加えたエサで肥育し、穀物は自然界には有り得ない遺伝子組み換え作物にどんどん置き換わってきています。
 日本人、いったいどれだけの化学薬品を食べているのでしょう。

 同様に住生活も化学物質まみれです。
 シャンプー、リンス、ボディソープ、食器洗い、歯磨きから風呂洗い、洗濯まで合成香料と合成着色料と合成界面活性剤をこね回した合成洗剤を使っています。化粧品、香水も化学合成したものです。
 さらに家は防虫剤、防腐剤、防カビ剤といった化学薬品を染み込ませた木材で組み立て、接着剤で張り合わせた合板を壁に床板に貼り、加えて塩ビの壁紙で仕上げます。
 ゴキブリやハエが出たといっては殺虫剤を撒き散らし、蚊が出るといっては蚊取り線香という農薬を家中に充満させるのです。


 現代の日本人はかつて人類が経験したことないほどの膨大な新規化学物質に晒され、そしてそれを体内に取り込んでいるのです。これでは体が悲鳴をあげるのも当然ではありませんか。

 私達夫婦は頭も体も石鹸で洗います。当然、その石鹸は合成香料、合成着色料など不必要な化学物質が添加されていないものです。リンスはお酢。食器洗い、洗濯、風呂掃除から雑巾掛けまで合成洗剤の使用は一切なく、全て食廃油を原料にした石鹸で済ませています。

 妻は時々化粧しますが、その際使うファンデーションは無機顔料で発色させた水性のもの、口紅は紅花色素を油脂に溶かしたもので、化学合成した成分を可能な限り排除したものです。

 食べ物は合成着色料(すなわちインク)や合成香料というベンゼン環化合物、および化学調味料を含まないものを選んでいます。野菜は地元で無農薬のものを頂くようにしていますし、肉類は苦手で食べませんのでエサに加えられる薬剤を間接摂取することもありません。魚類は時々食べていますが、養殖したものは買いません。油は有機溶剤で抽出したものではなく、搾ったもの、それも国産の米を原料にしたものです。水も塩素を含まない山の湧き水を飲んでいます。


 ちなみに妻はこちらに来てからパン屋を始めましたが、このパンの原料も同様です。小麦はポストハーベストを含まない国産小麦。地元の無農薬のカボチャや低農薬のリンゴを使い、その他レーズンやクルミなどの食材は全て有機の認証を取っている製品を使っています。

 現在の家の補修にあたって合板はいっさい使っていません。殺虫剤を含ませていない杉、ヒノキを床、壁に使いました。ただし、ヒノキは節穴を埋めたB級品ですけど。
 ハエが出て使うのはハエたたき、蚊取り線香は農薬成分を含ませていない本当の除虫菊で作ったものを使っています。

 こうした生活を続けていれば、たとえ家や衣服はボロボロでも心と体はボロボロにならないと信じていますし、現在アレルギー、アトピー、化学物質過敏症等で悩む人達も私達の生活を参考にしていただければ症状はきっと改善するものと思っています。
第9話「生命の水」の巻 もご覧ください )


 私達の健康が侵食されている事実と化学物質の氾濫との因果関係は、科学的には証明されないのでしょう。際限なく合成される新規の化学物質は製造者責任でその安全性が保証されることになっています。
 しかし、マウスやモルモットを始めとした実験動物に化学薬品を投与しても、マウスやモルモットが「それを投与されると吐き気がします、それを投与されるとイライラしてキレそうになります」とでも言うのでしょうか。「多量投与後に解剖してみたが、ガンも腫瘍もできていなかった」それで「動物実験によって安全性が証明されている」といるのでしょうか。私には信じられません。

 人間に生活の利便性だけでなく健康のために科学技術を利用するといった知恵があれば、これほど不必要な化学物質を蔓延させることはないはずです。
 本来、私達人間はおかしいことをおかしいと感じる感覚を持っています。ただ、都会の騒然とした生活が不自然なことを不自然と感じる感覚を麻痺させているのではないでしょうか。
 それが都会の生活の大きな負の側面だと私は思っています。

上下左右の矢印キー、homeおよびendキーで操作することができます。
クリックすると、カテゴリーの一覧を表示します。
コメントの投稿や前後の記事に移動ができます。

コメントフォーム

コメント欄を閉じる