ありのままの田舎暮らし

2008.07.19

第2話 農村のくらしと温暖化

里山の味 天然工房

97.jpg 皆さんこんにちは。東白川郡の塙町那倉でパン工房を営んでおります北村・和田と申します。

 第2回目は、和田がここでの暮らしについての体験をお伝えします。

 私達の住んでいるのは塙町の中心部より約20km、標高660mのいわゆる中山間地域です。


 周りは先祖代々受け継がれている土地を耕している農家の方々で、前回触れましたようにほとんどの方が何らかの血縁関係で結ばれ、農林業のかたわら出稼ぎに出るようになったこと以外は生活スタイルも古くからさほど変わらず、冠婚葬祭などの行事も伝統的なしきたりに従っています。

 私達のような移住者もまだ少なく、移住者ネットワークの皆さんの中でも特に奥部と言えるでしょう。

 冬の寒さは厳しく、半年は冬と言ってもいいくらいで、毎年4月になっても一日は雪が降ります。田畑の実りも少なく、春は山菜、秋はきのこを収穫しながら、落葉の頃になると各戸で炭を焼きます。膨大なエネルギーを消費する都市部に比べ、電力や化石燃料に過度に依存しない慎ましいライフスタイルです。

 この厳しい自然の中で営々と変わらない生活の営みを続けている人々の姿を見ていると、都市部の経済発展による地球温暖化が深刻さを増す中、このような人間の生の営みがいかに貴重であり、温暖化問題の一つの答えなのではないかという気がしてなりません。


不便さはエコ?

113.jpg そんな農村の重要性を痛切に感じるようになったこの頃ですが、以前は様々な不便さに不満を抱いたこともありました。

 例えば、インターネット。国道に近い場所はISDNがかろうじて使えますが、私の家は国道から1kmくらい入るため、アナログ回線しか通じていません。周囲は高齢の家ばかりなので、光回線も今後入る見込みはないそうです。

 それから、私道。国道より500mくらい入ってから、細い砂利道をさらに800mくらい入るのですが、大雨になるとこの道が川のようになり、砂利が流されデコボコになります。
 町の補助を受けて毎年砂利を買って入れていますが、この砂利を採取するために緑豊かな山が削られ、大量のエネルギーを使って生産、運搬されてくることを考えると憂鬱になります。それでも入れないとぬかるみになってしまうので入れなければならないのです。


 昔は今のように車が通ることもなく、人や牛が歩くだけだったら下草が生え根が土を支え、砂利など不要だったことでしょう。豊かな自然を求めて移住したのですが、クルマという文明の利器に頼る一方で自然を犠牲にしなければならないジレンマを日々抱えています。

 あとは、真冬に保温のコードを入れ忘れて水道管が凍結、破損してしまったことや、カミナリによる停電で寒さに震えたこと、パンを焼いている最中の停電で全部ダメにしてしまったことなど、細かなトラブルはしょっちゅうです。(このエピソードはまた後日)

 でもよく考えると高速でインターネットをやりながらCO2を極力出さない生活など、そもそも望む方がおかしいのですね。パソコンの生産にも大量のCO2が排出され、廃棄の際の有害物質やゴミも問題となっている。
 利便性を追求し続けた結果が温暖化を引き起こしているのだから、多少不便な生活を当然としなければ未来はないのだと、改めて思い直しています。


若者よ、来たれ農村へ

112.jpg 近年、日雇い派遣やネットカフェ難民などの問題も深刻化しています。事態はしばしば減少する「仕事」というイスを、大勢の人間で取り合う「イス取りゲーム」に例えられますが、そもそもこれだけ人間が増えているのだから、皆が企業にすがって生きるのは物理的に無理なこと。

 ということはもはや自分で仕事を生み出すしかない。それを実現する現実的な方法は「農業」しかないのではないでしょうか。

 低迷する食糧自給率を上げ、山林の荒廃や耕作放棄地の再生になり環境にも良い。都会で身も心も疲れきった若者達が、緑豊かな地で額に汗して働き、生きる喜びを実感する。そして高齢化や廃村の歯止めにもなる。日本の未来は若者の就農にかかっているといっても過言ではないと思うのですが、どうしてそんな一大ムーブメントが起こらないのでしょう。


 「トージバ」という団体が取り組む「半農半」運動のようなものがもっと広がって、農村への定住につながって欲しいです。
トージバ のHP

 いつもテレビで空腹を抱えて一人寂しくネットカフェに入る若者の姿を見るたびに、「限られた『イス』を待っていないで、農村に来て食べ物を作ろう!」と声を掛けたくなるのです。

 結婚願望のある独身女性なら、思い切って農村に嫁いでしまうという手もありますね! 塙町では「結婚促進協議会」が出会いのイベント『ラブラブアドベンチャー』などの企画を行っています。ご興味のある方はぜひお問合せを...♪

(続く)

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